補聴器について
聞こえの機能が低下すると、仕事面、日常生活での家族とのあらゆるコミュニケーション、痴呆や認知症の発症・進行などにも大いに影響をもたらします。特に超高齢化社会を向かえ介護の重要性が指摘され充分なコミュニケーションが取れることが必要とされる中で、難聴の為に充分なコミュニケーションが取れず介護医療が妨げられている現実があります。
また加齢による難聴は治療が不可能であるため補聴器による聴力補充が最良の手段となりますが、一方加齢による難聴は徐々に進行するためにかなり悪化するまで自覚しないことが多く気づいた時には医師とのコミュニケーション達成をも困難となり残念ながら補聴器の適応時期を逃してしまう方も多くみられます。
当院では耳鼻咽喉科専門医として、また※補聴器適合判定医、ならびに補聴器相談医として患者さまには「年を取ったから仕方がない」と聞こえをあきらめず、「聞こえないからあまり話したくない」や「聞こえないから外出したくない」、「相手に聞き返しをしてしまうから不快にさせる」と思っておられる方には、ぜひご自身にあった補聴器を見つけて上手く使っていただき、ご家族やお友達とたくさんお話をしていただきたいと思っております。また難聴の原因には加齢だけでなく、中耳炎の後遺症や、突発性難聴の後遺症などで難聴が残ったりする場合や、生まれつき難聴を持ち言語発達に必要不可欠なツールとしても補聴器は必要と考えられます。
※補聴器適合判定医、および補聴器相談医とは
日本耳鼻咽喉科学会認定専門医の中で補聴器適合判定医師研修会受講し、福祉医療・成人老年委員会が作成した講習カリキュラムのすべてを履修し認定された(資格をもった)医師のことです。
当院の補聴器外来の特徴
当院の補聴器専門外来は、補聴器を購入するための外来診察ではなく、補聴器を適正に使って頂くための専門診察です。
診察では、難聴者が各々のコミュニケーション障害に有効な補聴器を適正に選択して使用できるように対応することを目的としています。
つまり補聴器適合判定医&補聴器相談医の資格をもつ立場から補聴器認定技師と連携し「多種多様な選択肢の中からどの補聴器を選択するのか」といったことを判定し適応を決定します。その後は補聴器に対しての疑問などにアドバイスを行い聴力検査データーに基づいた説明と指導を根気強く行うことで補聴器による聴力補充が成功することを目指しています。
当院には、聴力検査のための防音室と補聴器適合機器を設置しており、補聴器フィッティングを行い、不安なくお使い頂けるようにサポートしています。
また、補聴器の適応がある方の全てが、補聴器にうまく順応するわけではありません。フィッティング後に貸出をしますので、補聴器を試聴して生活してください。購入前に試されることで、聞こえの変化や使用感を十分確認いただけます。
一方当院では、初めて補聴器を使用される方だけでなく、現在ご使用になっている補聴器の再調整も可能な限り行っております。
日常生活での家族や周囲の人たちとコミュニケーションの指導、聞こえについての相談も行いますのでご家族の方とご一緒に来院ください。
毎週火曜日(午前・午後)と水曜日(午前)に補聴器専門診察を行っております(予約制)。
予約制となっておりますので、初診の方はまずは診察・検査が必要ですので一般診察を受けてから補聴器外来へ予約とさせて頂いております。
また、補聴器を適正に使っていただくため、事前に検査を受けていただく必要があります。
補聴器外来の流れ
受付の際、「難聴が気になっており補聴器の必要性があるかどうかも含めての診察を希望する」とお伝え下さい。
【難聴問診のお願い】
受診時、「難聴問診」のご記入をお願いします。
ご面倒かと思いますが、難聴状況、補聴器必要性の有無等を把握させていただくためお願いします。
【耳鼻科外来での診察・検査】
耳の診察を行い、外来でできる検査を進めさせていただきます。
【補聴器外来へ予約】
⇒適応の補聴器が見つけられるかどうか