突然きこえない!?
難聴・突発性難聴の
症状チェック
音や声が聞こえなくなる「難聴」ですが、気づかないうちに耳が遠くなっていることも多く、自覚することが難しいケースもあります。
以下の項目をチェックして、3個以上当てはまる場合は、難聴の可能性が高いので、兵庫県尼崎市の耳鼻咽喉科あらいクリニックへお早めにご相談ください。
- 呼びかけに気づかないことがある
- 車が近づいていたことに気づかず危険な思いをした
- 聞き返しや、聞き間違いが多く、会話がおっくう
- 聞こえたふりをして話を続けてしまうことがある
- 話す声が大きいと言われるようになった
- 電話での通話が聞こえにくく不安だ
- TVや携帯の音が今までと同じ音量なのに急に聞こえにくくなった
- 起きたら突然、聞こえづらくなる時がある
- 夕方になると聞こえにくくなる
- 耳の詰まった感じや耳鳴りが続いている
- めまいがする時がある
- 睡眠不足や疲労がたまっている
- 精神的なストレスを感じている
- 大きな音がする環境にいる時間が長い
- 耳鳴り、耳閉感などの症状がある
など
難聴とは
「難聴」とは、音や言葉が聞こえにくい状態を言います。「聞こえづらさ」の感じ方は人それぞれで、その程度にも個人差があります。聴力検査で軽度から高度な難聴まで診断することができますので、「聞こえづらさ」を感じたら、耳鼻咽喉科で診察・検査を受けることが望ましいでしょう。
難聴には大きく分けて以下の3種類があります。
伝音性難聴
外耳から内耳へ「音が正しく伝わらない」ことで起こる難聴です。多くは中耳炎などが原因で発症する難聴で、手術による聴力改善が期待できます。
感音性難聴
内耳の問題により「音を正しく感じ取れない」ことで起こる難聴です。内耳にある音を感じる細胞の傷害で生じることが多く、老人性難聴などがこれに該当します。手術による聴力改善は期待できないので、適応する補聴器を使用することになります。
混合性難聴
伝音性難聴と感音性難聴を併発している難聴です。補聴器はどの種類の難聴にも対応しますので、適応する補聴器を使用することになります。ただし耳漏のある場合は使用できませんので、適切な治療により耳漏を止める必要があります。
聞こえにくい・
聞こえないことを
放置すると…
国際アルツハイマー病会議(AAIC)では、「難聴」が「高血圧」「肥満」「糖尿病」などと同じく認知症の危険因子の一つとしており、難聴と認知症の関連が注目されています。
難聴があるとコミュニケーションがしづらくなり、社会的に孤立することで認知症に繋がると考えられています。
聞こえづらいと感じたら、「年齢のせい」と決めつけず、耳鼻咽喉科を受診し、難聴の程度や、耳疾患があるか、治療の可能性があるか、補聴器の必要性などの確認をおすすめします。
加齢にともない
聞こえない方へ
加齢以外の原因が特にない難聴を「加齢性難聴」と言います。
加齢性難聴は、内耳の蝸牛の中にある有毛細胞(音を感知したり、増幅したりする役割がある細胞)の傷害で生じる感音難聴です。
有毛細胞が障害を受けると、細胞の数が減少したり、聴毛が抜け落ちたりすることで、音の情報をうまく脳に送ることができなくなるため、聞こえづらくなります。
また、内耳の問題以外にも、内耳から脳へ音を伝える神経経路の障害や、脳の認知能力の低下なども影響している可能性があり、様々な原因が組み合わされて発生すると考えられています。
突発性難聴の前兆は?
主な症状
- 突然聞こえにくくなる
- 耳が詰まった感じがする(耳閉感)
- 音が二重に聞こえる(響きやエコーがかかる)
- 耳鳴りが続く
- めまいや吐き気がする
など
これらの症状に気づいた後に「聞こえづらさ」を感じたら、できるだけ早く耳鼻咽喉科で受診してください。
突発性難聴とは
突然に耳が聞こえなくなる症状を「突発性難聴」と言います。
突発性難聴は、発症後2週間以内に治療を開始すると、聴力が回復する可能性が高くなります。「そのうち治るだろう」「少し様子を見よう」などと自己判断せずに、できるだけ早く診断・治療することが大切です。
突発性難聴の原因
突発性難聴の原因は、まだ十分に解明されていません。ウイルス感染や血液循環障害によって、音を感じる内耳の有毛細胞が損傷して発症すると考えられていますが、ストレスや過労、睡眠不足、糖尿病なども発症に影響していると言われています。
突発性難聴の治療
ウイルス感染や血液循環障害によって傷害された有毛細胞に対して、抗炎症作用のあるステロイド薬を中心に、血管拡張薬、代謝改善薬、ビタミンB12などを併用した薬物療法を行います。
ステロイド薬治療を行った場合でも、完治が1/3、改善が1/3、不変が1/3程度で、全例が回復するわけではありません。難聴の程度が高度で、めまいを伴う場合や、高齢者では、聴力改善の程度が小さくなります。
ステロイド薬治療の多くは2週間程度の短期間投与です。副作用の心配はほとんどありませんが、ステロイド薬によって影響のある病気がないか血液検査でチェックし、副作用の可能性についてもご説明の上、治療を行っております。
突発性難聴の方が
やってはいけないこと
突発性難聴の悪化を防ぐためには、「耳の血流が悪くなることを避ける」ことが大切です。脳の元気がなくなったり、気圧の変化で鼓膜に圧がかかったりすると、耳の血流が悪化するので注意が必要です。また、末梢の血流が低下するタバコや無酸素運動はやめるようにしましょう。
やってはいけないこと
- 不安なことを考え続ける
- 新幹線や飛行機など、気圧が変化する乗り物に乗る
- 睡眠時間が短い
- 締め切った部屋で換気扇を回すなど、気圧が変化する部屋にいる
- たばこを吸う
- 無酸素運動をする
突発性難聴のQ&A
突発性難聴は自然に治りますか?
以前は、低音障害型感音難聴が突発性難聴として診断されていた時期があり、軽度の低音障害型感音難聴の場合は、自然に治ることがありました。
ただ、突発性難聴は急激に始まる高度の感音性難聴で、現在では突発性難聴が自然に治癒することはないと考えられています。
突発性難聴はどのくらい治療期間がありますか?
突発性難聴は急性疾患であり、薬物療法による治療期間の目安は1週間から長くても2週間です。
この時点で改善していれば治る可能性は高いといえますが、改善していなければ難聴が固定化することになります。
ストレスが原因で突発性難聴は発症しますか?
「気圧の変化」や「気温の変化」「不安やいらだち」「ハードなトレーニング」「喫煙」などは、突発性難聴にとって悪いストレスですので、発症や悪化の原因に繋がる可能性があります。
突発性難聴になったら仕事は休むべきですか?
まずは勤務先や周囲の人に説明して理解してもらうことが大切です。聴力のレベルにもよりますが、突発性難聴は対面での聴き取りができても、複数人の会話では聞き取りができなくなることもあります。
そのような時は、健康な耳に耳栓をするとわかりやすくなる場合もあります。