甲状腺機能亢進症かも!?
症状チェック
甲状腺機能亢進症の症状は、他の病気と似通ったところがあるため、医師が誤診してしまう可能性があります。
下記のチェックリストに3つ以上当てはまる患者さまで、症状が長く続いている方は、兵庫県尼崎市の耳鼻咽喉科あらいクリニックにて甲状腺の検査を受けるようにしましょう。
- 急激に体重が減少した
- 脈拍が速く、動悸を感じる
- 精神的にイライラすることが増えた
- 汗をかきやすい
- 指先が震えて字が書きにくい
- 食事量が多くなった
- 活動量が増えても疲れを感じない
- 眼球が突出してきたように感じる
- 首が腫れぼったい
- 無月経の期間が続いている
など
甲状腺機能亢進症とは
甲状腺機能亢進症とは、甲状腺ホルモンの数値が高い状態を言います。甲状腺は、喉仏の下にある器官で、新陳代謝を活発にする甲状腺ホルモンを分泌し、身体の活動を調整する働きがあります。甲状腺機能亢進症の代表的な病気は、バセドウ病です。
症状や程度により治療方法が異なるため、異変を感じた際には耳鼻咽喉科で適切な診断を受けるようにしましょう。
女性に多い!?バセドウ病
バセドウ病は、甲状腺ホルモンの分泌を促す「TSHレセプター抗体」が甲状腺に刺激を与え続けることにより、甲状腺ホルモンが必要以上に分泌されている状態です。
バセドウ病は、特に20歳代から40歳代にかけて多く発症し、女性の発症率は男性よりもおおよそ3~5倍多いとされています。
バセドウの前兆や原因
バセドウ病に罹患すると、甲状腺を刺激する「自己抗体」(TSHレセプター抗体:TRAb)が生成され続けるため、甲状腺が常に刺激を受け続ける状態になります。
自己抗体が作られてしまう原因については詳しく解明されておらず、「遺伝」「ストレス」「過労」などの要因が大きく関わっていると考えられています。
なお、「妊娠」や「出産」などの身体が変化するタイミングで発症するケースもあることから、少しでも異変を感じた場合には、検査を受けることが大切です。
バセドウ病の主な症状
- 身体に力が入らない
- 安静時に動悸がある(心臓がドキドキする)
- 手が震えやすい
- 多汗、汗の量が多く暑がりになった
- 眼球が飛び出ている
- 下痢を起こしやすい
- 食べて過ぎても太らない
- 首に腫れを感じる
- 体温が高い(微熱がある)
- 疲れやすい
- 小さな文字が書きにくい
- 箸が持ちにくい
- 体重減少
- 落ち着きがないと言われる
- 些細なことでイライラする
- 不眠
- 目が突出してきた
- 目つきが変わった
- 目が見開いている
- 無月経もしくは、生理不順
など
甲状腺機能亢進症の
検査・診断
甲状腺の検査では、主に採血と首元の超音波検査を行います。
採血は、「甲状腺ホルモン(FT4)」と「甲状腺刺激ホルモン(TSH)」の数値を確認します。加えて、「抗TSHレセプター抗体(TRAb)」「抗サイログロブリン抗体(TgAb)」「抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPOAb)」を測定することで、バセドウ病や橋本病の診断にも役立ちます。
また、超音波検査は、ジェルを塗ってから専用の機械を当てるだけなので痛みはありません。検査を行うことで、甲状腺の大きさを測定し、甲状腺内部の血流状態を確認できます。
甲状腺機能亢進症の治療
甲状腺機能亢進症の治療方法には、薬で甲状腺ホルモンを抑制する「薬物療法」、甲状腺を切除する「摘出手術」、甲状腺を破壊してホルモン分泌量を低下させる「アイソトープ治療」の3つがあります。
一般的には薬物療法からスタートして、甲状腺ホルモンの数値が安定するまで、定期的に血液検査を行います。薬物療法で「肝機能障害」「皮膚湿疹」などのアレルギー症状が出現し、病状が安定しない場合には、手術やアイソトープ治療の適応となります。
甲状腺機能亢進症の食事
甲状腺機能亢進症を罹患すると、エネルギー代謝が高くなるため、食欲が増して食事量が増加します。ですが、甲状腺ホルモンの影響で体重は減少していくため、治療の効果を得られるまでは十分な栄養を摂取するようにしましょう。
豊富な栄養素と
高たんぱく質を意識する
代謝が良い状態のままだと体重減少が進行するため、体調不良を防ぐためにも、「主菜を一品増やす」「プロテインを取り入れる」といった食生活を始めると良いでしょう。
水分を多めに摂取する
甲状腺機能亢進症は、体温上昇や発汗に伴い脱水になりやすい傾向があります。そのため、暑い季節に関わらず、十分な水分補給を心がけましょう。目安は1日に1.5〜2Lとなり、ビタミンとミネラルも補給できるように、水やお茶の他にスポーツ飲料を併用するのもおすすめです。