甲状腺機能低下症かも!?
症状チェック
甲状腺は、首の左右両側の付け根、喉仏の下あたりの位置にある4センチほどの臓器の1つです。この機能が低下することを、甲状腺機能低下症と言います。
代表的な症状としては、以下のようなものがあります。
- 強い倦怠感、疲労感がとれず、日中に強い眠気が出る
- 原因不明のむくみ
- 体重の増加
- 気分が晴れずに落ち込む
- 首に腫れるような違和感
- 声の上ずり、しわがれるような感じがしたり、物を飲み込む時に違和感がする
- 手足がつりやすくなった
- 筋肉が痛くなることが増えた
など
甲状腺機能低下症とは
甲状腺は自律神経のように、体温などを一定に維持するために働く甲状腺ホルモンを分泌するという、非常に重要な役割を持っています。この甲状腺ホルモンの分泌量が低下することで、甲状腺の機能が衰え、低下していくことを、甲状腺機能低下症と言います。
反対に、甲状腺が必要以上に活動し、血中に甲状腺ホルモンが大量に分泌されてしまう病気を甲状腺亢進症と言います。
30~40代女性に多い!?
橋本病
橋本病とは、甲状腺に慢性の炎症が起きているという病で、慢性甲状腺炎と言われることもあります。九州大学の橋本という博士が、世界で初めてこの病に関する論文を発表したことを由来として、橋本病と呼ばれています。
橋本病は前述のような甲状腺の病の中でも女性の割合が多いという特徴があり、男女比では1:20~30と言われているほどです。年代別では、20代後半以降で30代から40代の方が最も多いとされています。
橋本病の前兆や原因
橋本病のはっきりした原因は未だ解明されておらず、自己免疫に何らかの異常が起き、甲状腺で炎症が起きているとされています。
起きている年代的に、更年期障害やうつの可能性があると思われることが多く、内科などで行われる検査では甲状腺の異常が見つからないことも多く、前述のように発見に時間がかかることが多いです。
橋本病の主な症状
- 首の腫れ
- 肌の乾燥、かさつき、不自然なかゆみ
- 居眠りが増えた、日中に強い眠気が出る、眠気がとれない
- 強いだるさ、倦怠感、無気力感
- 食欲がなく、食べていないのに体重が増える
- 肌のむくみ
- 月経量が増える、長引く
- 寒がりになってきたり、強い冷えを感じる
- 脈拍が不自然に遅くなってきた
- 毛が薄くなってきた
- 便秘
など
甲状腺機能低下症の
検査・診断
甲状腺検査は採血とエコー検査が主です。
甲状腺ホルモンは血中に現れますので、血液検査によって測定して行きます。甲状腺機能低下症の場合、甲状腺ホルモンの数字が低く、甲状腺刺激ホルモンの数字が高くなって現れます。
橋本病の検査は、抗サイログロブリン抗体と抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体の数字を測定します。また甲状腺ホルモンの数字が低くなると、コレステロール値と肝機能の数字が不自然に高くなることがあり、この数字も照らし合わせながら確認していきます。
通常の健康診断では肝機能の数字を見ますが、その時の異常を見逃さずに甲状腺の検査をしてみると、甲状腺ホルモンに異常が起きていたことがわかるということも珍しくありません。
甲状腺機能低下症の治療
甲状腺機能低下症の治療は、ホルモン剤を用いて甲状腺ホルモンを外から補給していくという治療が中心です。
具体的には、チラーヂンSというお薬を使うことが多く、少量を飲み始めて再度血液検査をして、甲状腺ホルモンと甲状腺刺激ホルモンが安定する量を探っていきます。
チラーヂンSは血中濃度の半減期が1週間と長いため、1日1回の服用で十分効果があります。
甲状腺機能低下症の食事
食事で気をつけることとしては、ヨードを多く含む食材を控えることです。
甲状腺に不調がない場合ではヨードを取り過ぎても問題ありませんが、慢性的に甲状腺に病がある場合だと、甲状腺ホルモンが低下していき、甲状腺機能低下症が進行する恐れがあります。
具体的には、日常的におやつ代わりに昆布を食べたり、汁物の出汁を昆布でとるなどをしていると、ヨードが多くなりがちです。
また、うがい薬として知られるイソジンはヨードを主成分としているため、毎日イソジンでうがいをしているとヨードの過剰摂取に繋がります。