TOPへ

副鼻腔炎(蓄膿症)鼻づまり、鼻が痛い・鼻の奥が痛い

副鼻腔炎(蓄膿症)とは

副鼻腔炎(蓄膿症)とは 副鼻腔とは、鼻腔にある鼻甲介と呼ばれる突起のまわりにある空洞のことです。左右の副鼻腔はそれぞれ4つに分かれており、上から「前頭洞(ぜんとうどう)」「篩骨洞(しこつどう)」「蝶形洞(ちょうけいどう)」「上顎洞(じょうがくどう)」で構成されています。
副鼻腔炎は、これらの空洞に炎症が起こった状態で、蓄膿症とも呼ばれます。
経過の短いものを急性副鼻腔炎、症状が3ヶ月以上続くものを慢性副鼻腔炎と言います。
一般的には、慢性副鼻腔炎のことを副鼻腔炎というケースが多いでしょう。

このような症状に
該当しませんか?

このような症状に該当しませんか?

以下の症状に当てはまる方は、副鼻腔炎(蓄膿症)の可能性があります。

  • 黄色い鼻水が出る
  • 鼻づまりが続いている
  • 咳や痰が続いている
  • 変な匂いがする
  • 匂いや味がわかりにくい
  • 目の奥に痛みがある
  • 頬に痛みがある
  • 頭痛がある
  • 頭が重い感じがする

など

副鼻腔炎(蓄膿症)の
主な原因

副鼻腔炎の多くは、様々な生体反応によって起こると考えられています。
風邪や花粉、ストレス、カビなどが原因となり、鼻の入り口である鼻腔に炎症が起こります。この炎症が長引くと鼻の奥にある副鼻腔にも炎症が起こり、さらに長引くと炎症を起こしている部分に膿が発生します。この状態が、いわゆる蓄膿症です。
また、副鼻腔炎の一部は遺伝が関係していると考えられており、ヒト白血病抗原(HLA)や塩素イオンの輸送(CFTR)が代表的なものとして挙げられます。

副鼻腔炎(蓄膿症)の
症状

鼻漏・後鼻漏

鼻漏とは鼻水のことで、黄色く、膿の混じったような粘り気のある鼻水は、副鼻腔炎の代表的な症状です。
また、鼻水が喉に向かって多く流れる後鼻漏も、副鼻腔炎の特徴とされています。

鼻閉

副鼻腔炎では、9割程度の方が鼻閉(鼻づまり)を自覚します。
鼻閉は、炎症による鼻の粘膜の腫脹、鼻ポリープ(鼻茸)が主な原因です。

顔の違和感・痛み

8割程度の方が、目の奥や頬のあたりなどに違和感や痛みを生じます。
顔に圧力がかかるような違和感や痛みと表現されることもあります。

においがしない・感じにくい

匂いがしない・感じにくいのは嗅覚障害と呼ばれ、7割程度の方で見られます。
過去の研究によると、副鼻腔炎によって生活の質・効率が低下することがわかっています。

副鼻腔炎(蓄膿症)の
治療

副鼻腔炎(蓄膿症)の治療まずは、抗生物質の内服による保存療法を行います。
マクロライド系抗生物質で炎症を抑え、膿を排出するよう働きかけます。
通院時には、鼻水の吸引や鼻腔内の洗浄、ネブライザー療法などを行うとより効果的です。
保存療法で改善が見られなかった場合には、手術も検討されます。

アレルギー性鼻炎(花粉症)

アレルギー性鼻炎とは

アレルギー性鼻炎とは、花粉やダニなどに対して、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみといったアレルギー反応を起こす疾患のことです。
アレルギーを引き起こす「アレルゲン」には様々なものがありますが、花粉など決まった時期に発症する季節性アレルギー性鼻炎と、季節に関係なく発症する通年性アレルギー性鼻炎に分けられます。

通年性アレルギー性鼻炎

通年性アレルギー性鼻炎は、ダニ・ハウスダスト・動物の毛・カビ(真菌)などによってアレルギー反応を引き起こします。
季節に関係なく、アレルゲンに反応することで症状が起こります。

季節性アレルギー性鼻炎
(花粉症)

季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)は、決まった時期に症状が見られるのが特徴です。
春に症状を引き起こすスギとヒノキが有名ですが、初夏や秋にも花粉を飛散させる植物があります。
また、複数の植物に対してアレルギー反応を起こすこともあります。

アレルギー性鼻炎の
主な原因

通年性アレルギー性鼻炎では、ダニやハウスダスト、犬や猫などペットの毛・皮膚、カビなどが主な原因です。
一方、季節性アレルギー性鼻炎では、スギ・ヒノキ(春)、カモガヤ・ハンノキ(初夏)、ブタクサ・ヨモギ(秋)などの花粉が原因となります。

アレルギー性鼻炎・
花粉症の症状

アレルギー性鼻炎・花粉症の症状アレルギー性鼻炎・花粉症の代表的な症状は以下の通りです。
  • くしゃみ
  • 鼻水
  • 鼻づまり
  • 目のかゆみ
  • 目の充血
  • 喉の違和感・かゆみ
  • 頭痛
  • 涙が出る

など

アレルギー性鼻炎の検査

血液検査によって、アレルゲンを特定したり、アレルギーの強さを調べたりすることができます。
また、超極細の内視鏡を使い、鼻腔の粘膜の状態を調べることもあります。

アレルギー性鼻炎の治療

アレルゲンの除去・回避

原因となるアレルゲンに接触しなければ、アレルギー反応は起こりません。
ダニやハウスダストが原因であれば、こまめに掃除する、畳からフローリングに変えるといった対策が有効です。
花粉症の場合は、マスクやゴーグルを装着する、帰宅後は服についている花粉を払うなどして、できるだけ花粉を家の中に入れないようにしましょう。

薬物療法

薬物療法では、抗ヒスタミン薬と鼻に噴霧するステロイド薬が主に使われます。
また、鼻づまりのひどい患者さまでは、鼻閉に効果的な抗アレルギー薬を使います。

舌下免疫療法

舌下免疫療法は、体質を変えることでアレルギー性鼻炎の寛解や治癒を促す治療方法です。
スギ花粉・ダニによるアレルギー性鼻炎の治療ができます。
スギ花粉やダニのエキスを含んだ錠剤を用いて、舌下に1~2分置いたのちに飲み込みます。
3~5年の継続した治療が推奨されており、時間はかかりますが、およそ80%の患者さまで効果が認められています。

詳細はこちらへ

レーザー治療

レーザー治療は、特に鼻づまりの症状が強い患者様に行われます。
レーザーを使って鼻の粘膜を凝固させる「下鼻甲介粘膜焼灼術」などの方法があります。

詳細はこちらへ

鼻が痛い・鼻の奥が痛い方へ

鼻が痛い・鼻の奥が痛い方へ鼻の痛みにはさまざまな原因があり、主に以下の3つに分けられます。

病気が原因の場合

風邪

特に風邪の引き始めは鼻の粘膜が弱っており、炎症を起こすと鼻の奥に痛みを生じることがあります。

ヘルペス

ヘルペスウイルスによって皮膚に水泡ができた状態です。
鼻の中にもできることがあり、痛みの原因となります。

慢性副鼻腔炎

慢性副鼻腔炎の代表的な症状として、鼻の奥や目の奥、頬に痛みが出現します。

悪性腫瘍(がん)

稀ではありますが、副鼻腔にも悪性腫瘍ができることがあります。
一般的には、耳や喉に痛みが出た後、鼻に症状が現れます。

季節の変化・環境が
原因の場合

花粉症・アレルギー性鼻炎

鼻の粘膜に炎症が起こると、痛みを感じることがあります。
水っぽいサラサラした鼻水は、花粉症などのアレルギー性鼻炎の可能性があります。

ドライノーズ(鼻乾燥)

鼻の粘膜が乾燥し、皮がむけたりかさぶたができたりすると、鼻の奥に痛みを感じます。
冬に症状が出ることが多いとされています。

気温・気圧の変化

急に寒いところに出たり、飛行機の離発着などで気圧が変化したりすると、痛みを生じることがあります。
気温の変化によるものは鼻の粘膜の血管収縮、気圧の変化によるものは鼻や耳への負担が原因と考えられます。

生活習慣が原因の場合

鼻のかみすぎ

鼻を多くかんでいると、粘膜が傷ついて痛みが出ることがあります。
鼻をかむ時は力を入れすぎないようにしましょう。

鼻の触りすぎ

鼻の穴を触る時に爪などによって傷つくと、痛みや出血が起こることがあります。
また、鼻毛の抜きすぎも痛みの原因の1つです。
カットのほうが安全ですが、清潔な器具を使って、粘膜を傷つけないように注意しましょう。

鼻の痛みの種類

鼻の痛みには、以下のような種類があります。

鼻の奥がツーンと痛い

鼻の粘膜が炎症を起こし、過敏になっている状態だと考えられます。

鼻の周辺がどんより重たく痛い

頬、眉間、おでこ、歯などに痛みがある場合には、急性副鼻腔炎が疑われます。

鼻の表面が痛い

鼻のかみすぎによる刺激、鼻水が続いていることによる刺激、細菌による炎症、湿疹などが考えられます。

鼻をつまむと痛い・鼻の横を押すと痛い

鼻の皮膚の下に腫瘍がある、鼻の中に鼻水のかたまりや異物がある、鼻前庭(鼻の穴の皮膚の部分)に炎症や湿疹があることなどが考えられます。