menu

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群・いびき

近年、睡眠時無呼吸が広く一般に認知され『睡眠負債』が流行語大賞にノミネート(2017年)されるなど「睡眠」についての関心が非常に高まっています。そして今や日本人の中高年の6割もの人がいびきをかき、そのうちの約10人に1人が睡眠時無呼吸症候群の疑いがあると言われていることから、当院ではいびき・無呼吸にお困りの方が相談できる場所になりたいと取り組んできました。
睡眠時無呼吸症候群とは、寝ているときに断続的に無呼吸を繰り返す病気であり、症状として『いびき、日中の眠気、起床時の頭痛』などがあげられます。
睡眠時無呼吸症候群の人は、日中の眠気によって、仕事効率や集中力の低下、居眠り運転による交通事故のリスクが高まります。また合併症としても『高血圧、糖尿病、心疾患、心筋梗塞や脳梗塞』の発症頻度が高くなるといわれています。
このように生活習慣病と深い関係のあるこの病気の治療は、患者さまが病気を理解することが治療の第一歩となります。
当院は睡眠時無呼吸症をはじめとするいびき・睡眠障害の検査、診断、治療を行っております。

睡眠外来の流れ

1.睡眠問診のお願い

初診時、「睡眠問診」のご記入をお願いします。
ご面倒かと思いますが、睡眠状況、日中の眠気等の把握のためお願いします。

2.耳鼻科外来での診察・検査

鼻とのどの診察を行い、外来で出来る検査を進めさせていただきます。
診察の結果、お鼻の治療から進めさせていただく場合もあります。
外来でできる検査を行います。

  • ファイバースコープ(鼻の通り具合、上気道を客観的に評価します)
  • レントゲン検査(顔面形態などを評価します)

など

3.簡易検査の予約

診察・検査終了後、ご自宅で行う睡眠検査(簡易検査)のご予約の案内をさせて頂きます。

4.器機の返却

貸出し日の翌日に器械を返却して頂き、結果ができ次第(クリニックにて結果を解析後)ご連絡をさせて頂きます。

5.再診

検査の結果CPAPの適応のある方はCPAP治療を開始します。
(すべての方がCPAP治療の対象になるわけではありません)
さらに精密な検査が必要な場合は、終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)のご予約の案内をさせて頂きます。

※CPAPを保険適応でご使用いただくには月に1回の受診が必要となります。
ご連絡なく受診がなかった場合は自費扱いとなりますのでご注意ください。

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome;SAS)とは…

睡眠時無呼吸症候群(以下SAS)とは、寝ている間に気道が
何らかの理由で塞がってしまい、呼吸が止まってしまう疾患です。
日本人における睡眠時無呼吸は300万人とも400万人とも言われています。
SASの患者さまは寝ているときに大きないびきを伴っていることが多く、大きないびきの消失と共に呼吸が停止し、この状態が数十秒続くと脳が呼吸を再開させるために覚醒し、呼吸が再開し脳が眠りにつくとまた呼吸が止まる、といったことを一晩中繰り返します。
その結果、睡眠を十分に取ったつもりでも実際には満足な睡眠が得られていないので、疲れが残ってしまったり、昼間に耐え難い眠気が現れます。

どんな人がSASになりやすい…?

SASの患者さんに多く見られる所見として、

  • 大きないびき
  • 肥満傾向
  • 顎が小さい
  • 舌が大きい
  • 鼻の詰まりが強い
  • 軟口蓋(のどちんこ)が長い

などが挙げられます。
ただし、これらに当てはまる所見のある人すべてがSASになるわけではありません。

どのような症状があるのか…

SASの患者さんには以下のような症状がみられます

  • 大きないびきをかく
  • 昼間(会議中など)の強い眠気
  • よく眠った感じがしない
  • 朝起きると頭痛がする
  • 車を運転中に居眠りをする

治療について

1.持続陽圧呼吸療法(CPAP療法)

寝ている間に鼻マスクより空気を送り、気道の閉塞を防ぐ治療法です。
睡眠時無呼吸症候群の最もスタンダードな治療法で有効性・安全性が高く、即効性があります。副作用が少ないのも特徴です。

2.マウスピース

マウスピースは、いびきや無呼吸の程度が比較的軽少~中等症の方に適しています。
寝ている間装着することで、下顎が前に移動し気道をひろげ、いびきや無呼吸を軽減させます。
※歯科医院で作成して頂きますので希望される方は、作成可能な歯科医院へご紹介いたします。

3. 外科的手術

無呼吸の原因が、肥大した扁桃や長い軟口蓋の場合、それらを切除し気道が塞がらないようにする手術です。
全身麻酔での手術となりますので、手術適応と考えられる方で治療をご希望される方は治療可能な病院へご紹介致します。