鼻水について
鼻水には、細菌やウイルスの体内への侵入を防ぐ役割があります。
健康な人の鼻水は無色透明ですが、何らかの原因によって鼻水の色が黄色っぽくなったり、緑っぽくなったりすることがあります。
鼻水の色は、体調の異変を知らせてくれるサインでもあるのです。
透明で粘り気のある鼻水
透明で粘り気のある鼻水は、細菌やウイルス感染、花粉症などのアレルギーによるものだと考えられます。
黄色い鼻水
黄色い鼻水は、鼻炎や副鼻腔炎などの感染が原因だと考えられます。
体内に細菌やウイルスが侵入すると、免疫細胞や白血球が働きますが、これらは役目を終えると死骸となって鼻水に混ざります。すると、黄色っぽい鼻水となります。
褐色・黒っぽい鼻水
鼻血が見られたり、鼻の中が炎症を起こして出血したりすると、褐色や黒っぽい鼻水になることがあります。
黄色の鼻水が出る
原因・治療法
急性副鼻腔炎
細菌やウイルスの感染によって急性鼻炎を起こし、さらに疲労や体調不良などが重なることで、急性副鼻腔炎を引き起こします。
多くの場合は短期間で治癒します。
治療
風邪や疲労、体調不良などが原因の場合には、それらを適切に治療することで症状が改善します。
安静にしてしっかりと休養をとることも、早期回復のためには大切です。
慢性副鼻腔炎
急性副鼻腔炎の症状が慢性化すると、慢性副鼻腔炎を引き起こします。
膿が広範囲に溜まり、頭痛や嗅覚障害などを起こす恐れがあります。
治療
黄色い鼻水が1ヶ月以上続く時には、慢性副鼻腔炎になっている可能性があります。
頭痛・咳・後鼻漏(喉に鼻水が流れること)などの症状が見られたら、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
集中力低下や睡眠障害など、日常生活に支障を来している場合には、手術も検討されます。
好酸球副鼻腔炎
好酸球副鼻腔炎は、アレルギー体質の方に多い副鼻腔炎です。
喘息を伴うことが多く、嗅覚障害のほか、好酸球性中耳炎という聴力障害を起こすケースもあります。
原因不明の難治性の疾患であるため、難病医療費助成制度の対象となります。
治療
点鼻薬や洗浄などが症状の緩和に効果的だとされています。
鼻茸が大きく、空気の通り道が狭くなっている場合には、切除術が行われます。
副鼻腔真菌症
副鼻腔真菌症とは、真菌(カビ)が原因で起こる副鼻腔炎です。
糖尿病や悪性腫瘍は、副鼻腔真菌症の発症リスクを高めるとされています。
治療
真菌(カビ)が原因であるため、抗生物質は効きません。
片側にのみ発症することが多く、なかには手術によって真菌を除去しなければならない症例もあります。
風邪など治りかけの
鼻水は黄色!?
風邪の治りかけに
見られる症状
- 黄色っぽくて粘り気のある鼻水が出る
- 喉の症状だけが残っている、痰が増える
- 日中に眠気や疲労感がある
など
治りかけの鼻水が
黄色い理由
風邪などの治りかけは、菌の死骸や菌と戦った白血球が混じるため、黄色っぽい鼻水が出ます。
このような症状が
あったらすぐに受診を
鼻づまりが続いていたり、頭痛や頭の重い感じが見られたりする時には、急性副鼻腔炎を引き起こす可能性があります。
これらの症状が改善しない時には、速やかに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
よくあるご質問
黄色い鼻水は風邪のよくある症状ですか?
黄色い鼻水は、風邪を引いたときによく見られる症状です。
最初は透明な鼻水が出ることもありますが、時間の経過とともに黄色い鼻水になることがあります。
1週間以上続く場合には、副鼻腔炎を引き起こしている可能性もあるので注意しましょう。
黄色い鼻水がどのくらい続いたら受診したほうがいいですか?
一般的な風邪では、黄色い鼻水は数日から1週間程度でおさまることがほとんどです。
黄色い鼻水が1週間以上続く場合、咳・高熱・激しい頭痛が見られる場合には、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
黄色い鼻水に対して自宅でできるケアはありますか?
まずは、十分な休息と水分補給が大切です。鼻の乾燥を予防するために、加湿器などを使って部屋の加湿をするのも良いでしょう。
鼻づまりに対しては、鼻洗浄や温かいスープなどを飲むのも効果的です。 ただし、症状が長引く場合には、耳鼻咽喉科を受診しましょう。
黄色い鼻水は病気のサインなのでしょうか?
黄色い鼻水は、一般的には重篤な病気のサインではないと考えられます。ただし、症状が長期間続く場合や、鼻水以外の症状が見られる場合には、何か病気が隠れている可能性もあります。
早めに耳鼻咽喉科を受診し、適切な診断を受けることが重要です。