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扁桃炎・咽頭炎・喉頭炎

気道の働きついて

気道の働きついて気道とは、酸素を肺に取り入れて二酸化炭素を排出するための、空気の通り道です。鼻腔から喉頭までの上気道と、気管から気管支までの下気道に分けられます。
気道の主な役割には「①加温」「②加湿」「③感染防御機能」があります。

上気道の役割

上気道での主な役割は、吸い込んだ空気を加温・加湿し、微細な異物を除去することです。
空気が気道に入ると、鼻腔粘膜の血液が熱放出することで、冷たい空気が加温・加湿されます。吸い込んだ空気が乾燥したままだと、異物を除去するための線毛運動が抑制され、粘液の粘度も増して鼻づまりを引き起こし、気道の浄化機能が妨げられます。
また、鼻粘膜、鼻毛、喉頭の咳嗽反射などにより、ほこりやカビ、細菌、ウイルスなどの粒子が体内へ侵入するのを防ぎます。

下気道の役割

下気道の主な役割は、感染防御機能です。
気道の内側は多列線毛上皮でできており、40μm以下の微粒子を補足し、線毛運動によって上気道へ押し出します。微粒子は杯細胞から分泌される粘液と混ざり、痰として喀出されます。
これらの感染防御機能の働きにより、下気道は通常無菌です。

子どもや若い世代に多い!?扁桃炎とは

子どもや若い世代に多い!?扁桃炎とは扁桃炎とは、細菌やウイルスなどの感染により、口蓋垂の左右にある扁桃が炎症を起こし、喉の痛みや発熱などの症状が現れる疾患です。扁桃はウイルスや細菌などが体内に侵入しないようにする感染防御の役割を担っているリンパ組織です。
急性扁桃炎は、免疫機能が未熟な子どもや、ストレスや疲労で免疫力が低下した20~30歳代の若い世代によく見られます。

子どもの扁桃炎で
気を付けてあげること

扁桃炎を引き起こす原因菌の1つに溶連菌(A群β溶血性連鎖球菌)があり、腎炎やリウマチ熱、心内膜炎などの合併症を引き起こす可能性があるため、小学生までは注意が必要です。
溶連菌は迅速検査キットで判別でき、溶連菌の感染であれば抗生剤の投与で症状は改善します。合併症のリスクを下げるためにも、7日から10日間は継続して抗生剤の内服が必要です。

扁桃炎の主な症状

  • 喉の赤み、腫れ、痛み
  • 発熱
  • 耳の痛み
  • 飲み込む時に痛みがあり、食事がとれない
  • 体のだるさ
    など

唾液を飲み込むと激痛!扁桃周囲炎・扁桃周囲腫瘍

急性扁桃炎が悪化すると、扁桃の周囲組織の深いところまで炎症が広がることがあり、この状態を扁桃周囲炎といいます。扁桃周囲炎がさらに悪化すると、扁桃の周囲に膿が溜まって膿瘍を形成することがあり、この状態を扁桃周囲膿瘍といいます。
症状には喉の強い痛み、38℃以上の高熱、唾液を飲み込む時の激しい嚥下痛、痛みが強くて食事が食べられない、口を開けにくい、耳の痛みなどがあります。

治療

扁桃炎の原因が細菌によるものであれば、抗生剤を投与して治療をします。一方で、ウイルスの場合は対症療法が基本となります。患者さんの症状に合わせて、喉の炎症を抑える抗炎症薬を服用したり、喉の痛みや発熱に対して解熱鎮痛薬を服用したりします。薬物療法と合わせて十分な睡眠と栄養補給を行い、室内が乾燥しないように加湿をして安静に過ごします。
扁桃周囲膿瘍の場合は、針を刺したり切開したりして膿を出すこともあります。
急性扁桃炎や扁桃周囲膿瘍を繰り返すケースには、扁桃摘出術を行うこともあります。

飛沫感染する!?
咽頭炎(急性咽頭炎)とは

飛沫感染する!?咽頭炎(急性咽頭炎)とは咽頭炎とは、気温の変化や疲労などで免疫力が低下している際に、細菌やウイルスに感染することで咽頭の粘膜やリンパ組織に炎症を引き起こし、喉の痛みや発熱などの症状が現れる疾患です。
咽頭炎は咳やくしゃみなどの飛沫で感染する可能性があり、感染予防にはマスクの着用や手洗い・うがいが有効です。

咽頭炎の主な症状

  • 喉の痛み
  • 飲み込むときに痛みがあり、食事がとれない
  • 咳や痰が出る
  • 嗄声(声がかすれる)
  • 発熱
  • 体のだるさ
  • 首のリンパの腫れ
  • 耳の痛み
    など

治療

咽頭炎の原因が細菌によるものであれば、抗生剤を投与して治療をします。一方で、ウイルスの場合は対症療法が基本となります。患者さんの症状に合わせて、喉の炎症を抑える抗炎症薬を服用したり、喉の痛みや発熱に対して解熱鎮痛薬を服用したりします。薬物療法と合わせて十分な睡眠と栄養補給を行い、室内が乾燥しないように加湿をして安静に過ごします。

ストレスが原因!?
喉頭炎(急性喉頭炎)とは

ストレスが原因!?喉頭炎(急性喉頭炎)とは喉頭炎とは、細菌やウイルス、アレルギー、喫煙などが原因となって喉頭に炎症を引き起こし、喉の痛みや発熱などの症状が現れる疾患です。喉頭炎の中でも特に声帯の炎症が強い場合は、急性声帯炎と呼ばれます。
喉頭炎は急性喉頭蓋炎、急性声門下喉頭炎など急激に呼吸困難になる疾患もあるため、注意が必要です。

主な症状

  • 喉の痛み
  • 発熱
  • 嗄声(声のかすれ)
  • 咳や痰が出る
    など

治療

喉頭炎の原因が細菌によるものであれば、抗生剤を投与して治療をします。一方で、ウイルスの場合は対症療法が基本となります。患者さんの症状に合わせて、喉の炎症を抑える抗炎症薬を服用したり、喉の痛みや発熱に対して解熱鎮痛薬を服用したりします。薬物療法と合わせて十分な睡眠と栄養補給を行い、室内が乾燥しないように加湿をして安静に過ごします。

急性咽頭蓋炎

急性喉頭蓋炎とは、喉頭蓋に炎症が起きる疾患です。喉頭蓋は食べ物を飲み込む際に気管の入口に蓋をして、誤嚥を防止する役割があります。喉の痛みや発熱が主な症状ですが、炎症による腫れが強い場合、窒息する危険性もあります。喉の痛みがひどく、嗄声を伴う息苦しさの症状が現れた場合は早めの受診が必要です。
治療方法は、抗生剤やステロイドの内服・点滴をします。

急性声門下喉頭炎

急性声門下喉頭炎とは、声帯の下にある粘膜が炎症を起こして狭くなり、喉の痛み、咳、息苦しさなどの症状を引き起こす疾患です。
治療は抗生剤の吸入や内服、点滴治療を行います。